ボクシングのダブル世界戦の予備検診が、12日に都内のホテルで行われた。15日の横浜アリーナで、WBC世界フライ級は王者比嘉大吾(22=白井・具志堅スポーツ)は同級2位クリストファー・ロサレス(23=ニカラグア)の挑戦を受ける。両選手とも異常なしと診断されたが、比嘉は最大の難関である減量のピーク。会見では三言答えだけで早々に自室へ引き揚げた。

 直前まで部屋で寝ていたそうで、髪は寝癖がついたまま。こけてきたほおには無精ひげを伸ばし放題だった。記念撮影でも最初はポーズもとらず。うながされて力なく拳を握った。3つの質問に答えると、野木トレーナーに寄り添われて自室へと戻っていった。

 比嘉の体格データはV2戦とほぼ同じも、ロサレスより身長で8センチ低く、リーチは18センチも短かった。これには「身長の高い人としかやってない。大丈夫」。対面しての印象は「映像で見たのと一緒」。「怖さは」と問われると「ありませんでした」と力なく答えた。

 比嘉は元々減量に苦しんできたが、今回は特に元気がなかった。具志堅用高会長(62)も「厳しい状況ではある。きついと思う。試練になるかも。相手も今までの中では根性ありそうで強いし」と心配しきりだった。

 ロサレスは逆に元気そのもので、リーチ差には「最大限に生かしたい。パンチも入れやすい」と優位を強調した。体重は「あと1・5ポンド前後(約680グラム)を維持している」という。胸囲の差には「的が広くパンチ当てやすい」。比嘉の姿に「ユーチューブで見た時はパワフルで強かった。今日は小さく細い。強い印象はなかった」と話した。