IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(30)が歴代最多となる12度目の防衛を果たした。

 11度の防衛で並んでいた棚橋弘至(41)を迎えての大一番に34分36秒にレインメーカーをぶちかまして勝利。「V11」対決を制して盤石ぶりをアピールし、「正直、自分は(記録に)興味がないと言いつつ、これが達成できたときに何かあるんじゃないかなと思ってましたけど、何もなかった。ただの防衛戦の1つだった」と事もなげに言い放った。

 ただ、ひたすらに強かった。会場からエースの復活を願う棚橋コールが起きても、むしろ楽しむかのよう。不敵に笑顔をみせる場面もあった。年明けには右膝のケガで欠場もあり万全でない棚橋のベルトへの意地をかけた大技を受けきった。場外へのハイフライフロー、スリングブレイドを食らいながらも、だんだんと表情は生き生きしていった。「強かったですよ」と先輩を認めつつも、やはり力は勝った。最後はロープに走った棚橋のタイツを強引につかんで引き戻してからのレインメーカー。黄金週間に福岡で金の雨を降らせた。

 勝利後のリングでは自ら防衛ロードで戦った相手の名前を挙げて、「引き分けがあるな」とニヤリ。昨年の大阪大会で60分時間切れ引き分けに終わったケニー・オメガを呼び込むと、無制限での決着戦を提案。オメガが3本勝負を提案し返すと「いいねえ、楽しいねえ」と快諾して、V13は異例の試合形式で戦うことが決まった。

 「俺じゃなきゃダメでしょ。俺がチャンピオンだから、新日本プロレスはここまできているし、海外にだって行けているし。やっぱり常に俺がベルトを巻いて中心じゃないと、新日本プロレスどんどんどんどん上に行けないと思うんで、素晴らしいチャンピオンを見せていきたいなと思います」。最後は自信の決意表明で記念日を終えた。