ボクシングの元世界3階級制覇王者の亀田興毅(31=協栄)が、10年3月のWBC世界フライ級王座統一戦で初黒星を喫した元同級王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(40=タイ)と引退試合を行い、2回12秒に右フックからの左ストレートでTKO勝ちした。この試合は日本ボクシングコミッション(JBC)から公式試合として認められておらず、公開スパーリングとして行われたため、参考記録となる。

 亀田興が強烈な右フックから左ストレートを打ち抜くと、ポンサクレックはもんどり打って倒れ、レフェリーが試合を止めた。亀田興は試合後、「一応、恒例となっている…どんなもんじゃい!」と吠えた。「亀田とKOはセットでやってきた。お互い、引退しているけど決着がついてうれしいし、この試合を引き受けてくれたポンサクレックに感謝しています。ありがとう」と感謝した。

 ポンサクレックは4月8日に約4年7カ月ぶりに復帰戦を行い、タイの首都バンコクで、マノット・コンプット(35=タイ)と同国スーパーバンタム級暫定王座決定戦8回戦を戦い、判定勝ちで王座を獲得していた。それでも「亀田選手のスピードに対応できなかった。ブランクは、やはり大きかった。亀田選手は1回から本気だった。速くてすごいシャープなパンチだった。自分は年だと感じた」と脱帽。「あのパンチは現役でもやれる。世界王者を狙えるレベルだ。前回より精神面が大人になって強くなった」と亀田興をたたえた。