4年ぶり3度目の優勝を狙う棚橋弘至が優勝決定戦(12日)進出を決めた。Aブロック最終戦でオカダ・カズチカと激突。G1での過去2戦と同じく、30分時間切れ引き分けに終わったが、7勝1敗1分けで1位通過を決めた。

 近年、新日本の頂点を争い続けてきた2人の激突に、15年ぶりの開催となった日本武道館は盛り上がり続けた。勝者が優勝決定戦に進出する決戦。5月のIWGPヘビー級選手権では敗れている棚橋は、徹底した膝攻撃でピンポイントにダメージを与え続けた。古傷の右膝の痛みは消えることはない。「この体を受け入れて、できる技で、できる戦略で、いまの棚橋弘至で戦えばいいと」。好機を逃さず、あえてオカダ得意のツームストンパイルドライバーも繰り出す。膝へのダメージが蓄積するハイフライフローも、場外への一撃を確実に的中させた。

 「今シリーズは、心と体と技がそろいました」。オカダに逆に得意技のドラゴンスクリューで攻撃されても、苦渋の表情でもがきながら、勝機を探した。時間切れが迫る中、最後も必死のハイフライフローを見舞った。カウントは惜しくも2つも、引き分けなら決勝進出の状況でも攻め抜く姿勢に、エースの意地がにじんだ。