10月7日、横浜アリーナでワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)1回戦としてWBA世界バンタム級王者井上尚弥(25=大橋)に挑戦する元WBAスーパー王者の同級4位フアンカルロス・パヤノ(34=ドミニカ共和国)が2日、東京・新宿区の帝拳ジムで練習を公開した。

左拳にのみバンテージを巻き、縄跳び、シャドーボクシング、パンチングボール打ちを披露。井上が14年12月のオマール・ナルバエス(アルゼンチン)戦以来となるサウスポーとの世界戦だと知ると「彼がサウスポー相手が2回目なら問題を抱えるかもしれない」と不敵な笑みを浮かべた。

視察に訪れていた井上の師匠、大橋秀行会長から「左だけ手首までテーピングしている。痛めているのか」と鋭い指摘を受けると、パヤノは「今日はバンテージを巻く必要がなかった。プロテクター代わり」とやんわりと否定。米マイアミで一緒に約3カ月間のトレーニングを積んできたヘルマン・カイセド・トレーナーも「100%の状態に持っていった」と太鼓判を押した。

この公開練習には、母国で12歳から親交がある友人の日本スーパーライト級9位ディスティノ・ジャパン(34=ピューマ渡久地)の激励も受けた。「スピードがあって足の使い方もいい。ベテランで調整上手なまじめな選手」とエールを送られたパヤノは「井上はハードパンチャーだが、まだバンタム級で2試合目。私はナチュラルでこの階級でやってきた。そのへんの差も出ると思う」と自信をみなぎらせていた。