ボクシングの元世界3階級制覇王者の亀田興毅(31=協栄)が10日、ブログで「私、亀田興毅は現役を退き、プロボクサーを引退することにしました」と引退を表明した。15年10月16日(日本時間17日)には米シカゴで4階級制覇を目指し、WBA世界スーパーフライ級王者の河野公平(34=ワタナベ)に挑戦したが0-3の判定で敗れ、引退を表明し、5月5日に引退試合のため1試合限定での復帰をへて、2度目の引退表明となる。

興毅は、13年12月に弟大毅の世界戦で混乱を招いたとして日本ボクシングコミッション(JBC)から処分を受け、国内で試合が出来なくなった。15年の1度目の引退後は、17年1月に弟和毅(27=協栄)のチーフトレーナーを務めるため、JBCにトレーナーのライセンス申請書類を提出し交付された。

ただ、JBCルールの下、国内できちんと引退試合をやしたいという思いから、5月5日に1試合限りで現役復帰し、10年3月のWBC世界フライ級王座統一戦で初黒星を喫した元同級王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(40=タイ)と引退試合を行った。JBCからは公式試合として認められず、公開スパーリングとして行われたが、2回12秒に右フックからの左ストレートでTKO勝ちした。

その後、引退式のテンカウントゴングの最中に、元4階級制覇王者ローマン・ゴンサレス(31=ニカラグア)と対戦出来るなら、もう1試合したいとぶち上げ「拳を交えられるなら、もう1回、ボクサーとして挑戦したい。実現しなかったら、きれいさっぱりやめます。その時はボクサー亀田興毅はしっかり引退する」と語った。

興毅はブログで「今春、『俺には戦いたい相手が二人いる』そういって現役復帰をしました。その1人がポンサクレック・ウォンジョンカム。5月に「ラスト亀田興毅」と称して、因縁の相手であったポンサクレックと戦い、勝利をすることができました。そしてもう1人がローマン・ゴンサレス。しかし彼との試合は実現する事ができませんでした。正直、夢半ばといいますか、今でも戦いたい、悔しいと思う気持ちでいっぱいです」とゴンサレス戦が実現しなかったことを悔いた。

興毅はブログで引退を表明した上で、WBC世界スーパーバンタム級2位の和毅が12日に東京・後楽園ホールで同級1位アビゲイル・メディナ(30=スペイン)と暫定王座を争う、3年ぶりの世界戦に挑むことに生きがいを見いだしていることを「新しい夢」とつづった。

「しかしそんな気持ちを超えた新しい夢ができました。夢というより元より強く思っていた事。それが弟・亀田和毅が再び世界チャンピオンになる事。3兄弟でそろって二階級制覇という大記録を達成する事です。実力、センス、努力。どこをとっても亀田和毅にはその可能性は十分にある。しかしここまで試合を実現するのが遠くなってしまったのは俺の責任でもあるし、だからこそ総力を上げて応援したい。今は和毅のためであれば何でもやりたいと思う」

興毅は、その上で自身がプロデューサーを務めるボクシング興業「東京ファイトクラブ」(TFC)のプロデューサー業に専念する考えを強調した。

「だからこそ、この大会TFCイベントプロデューサーとしての責務を全うしたいし、チームとして全力でサポートしたい。この大会に限らずここからがスタートといっても良い状況なのでサポート役としてもう一度、世界にチャレンジしたい。、その強い思いを持ってして現役プロボクサー亀田興毅とは今ここでお別れしたいと思います」

また興毅は、15年10月16日の河野戦後の引退表明に続き、2度目の引退表明となったことを謝罪しつつも、そうすることも含め、自らの生き方であることを強調した。

「2度目の引退となります。何を言っているんだと思う方もいらっしゃると思います。申し訳ございません。ただ俺は、これだと思った目標に対して一生懸命に生き抜きたいだけなのです」

その上で、和毅への応援を訴えた。

「11月12日 亀田和毅、WBC世界スーパーバンタム級、王者決定戦に挑みます。相手は欧州王者にして世界ランキング1位。不足なし。絶対に勝ちます。応援宜しくお願い致します」(原文のまま)