ボクシングWBO世界スーパーウエルター級3位井上岳志(29=ワールド)が26日(同27日)王者ハイメ・ムンギア(メキシコ)に世界初挑戦0-3の判定で敗れた。

王者は31戦全勝(26KO)の次期スター候補でミドル級との2階級制覇に色目も見せる。大手ブックメーカーのオッズは1-16の差。スーパーウエルター級(69・8キロ以下)は世界的に選手層が厚い階級でフロイド・メイウェザー(米国)マニー・パッキャオ(フィリピン)、ミゲール・コッド(プエルトリコ)ら名王者が在籍した階級。井上が前評判を覆して日本人の正規王者となれば三原正以来38年ぶりの快挙だったが、世界の壁は高かった。


◆WBO世界スーパーウエルター級タイトルマッチ12回戦


ムンギア判定
3-0
井上岳志

WBOスーパーウエルター級タイトルマッチの前日計量をパスした井上岳志(右)と王者ハイメ・ムンギア=25日、ヒューストン(共同)
WBOスーパーウエルター級タイトルマッチの前日計量をパスした井上岳志(右)と王者ハイメ・ムンギア=25日、ヒューストン(共同)

井上岳志のコメント 「自分のやろうとしたことは、はっきり出せたと思う。何もしないでついていく場面がちょっと多かった。そこは今の実力かなと思う。(王者は)ポイントの取り方がうまかった。」


【12回】 ムンギアは上下左右の連打。ガードの上からだが、井上にはダメージを与える。井上は最後まで徹底的に接近戦。連打を放ち、右ストレートを決めた。井上は最後まで気持ちをみせた。


【11回】 ムンギアは接近戦を挑む井上に、連打を放つ。井上は手数が出なくなる。ハーフタイム後、井上は力を振り絞って接近戦。下からパンチを出す。右アッパーを決めた。


【10回】 井上は終始、同じ戦法。ガードを固め、前に出て連打。ムンギアは下がりながら懸命に反撃。井上は残り50秒で右ストレートを顔面に決めた。終了間際、ムンギアの連打の反撃で、井上はふらついた。



【9回】 井上はムンギアをロープに追い詰めて連打。右フックを決めると、ムンギアは一瞬ふらつく。井上は泥臭く前に出て連打を放つ。後半はムンギアも反撃し、左ボディー、左フックを決めた。


【8回】 井上はガードを固めて接近戦。コーナーにつめて右ストレートを決めた。ムンギアの左をもらっても構わず前に出て右ストレートを決めた。ムンギアの動きが少し止まる場面もあった。


【7回】 ムンギアは強烈な左右のパンチで、井上の前進を止める。足を使いながら左ボディーなどを決める。井上は懸命に接近戦で活路を見いだした。終了間際に右フックを決めた。


【6回】 井上が接近戦から右ストレートを決める。ムンギアは左フックを顔面にたたき込む。井上は負けじと接近戦から連打。右ストレートを顔面に決めた。ムンギアは残り1分切ってから左フックから連打を放った。



【5回】 井上はガードを固めて、ムンギアの中に入る。ロープ際に追い詰めて右フックを入れる。ムンギアは足を使って、距離を保ち、左アッパー、フックを決めた。


【4回】 井上が懸命に距離を詰めるが、ムンギアはうまく距離を取って、自分の距離で戦い、強烈な左ボディーを決めた。井上はムンギアに頭をつけてパンチを繰り出した。


【3回】 井上はムンギアの中に入って右ストレートを顔面に決める。距離を取るムンギアは左ボディー連打で対抗した。


【2回】 井上は果敢に接近戦を挑む。下から突き上げるようなパンチを出す。ムンギアは左ボディーを的確に決める。井上は終了間際も強引に前に出てムンギアをロープ際に追い込んだ。


【1回】 開始早々に、井上が右を放つ。積極的に前に出て、ムンギアをロープ際に詰めた。身長、リーチで勝るムンギアは距離を保つ戦い。