プロボクシングの前IBF世界スーパーバンタム級王者で同級3位の岩佐亮佑(29=セレス)が年内の世界挑戦に備え、初の米修行に臨む。16日に米ロサンゼルスで臨んだ同級4位セザール・フアレス(27=メキシコ)とのIBF同級挑戦者決定戦で10回負傷判定勝ちした岩佐は18日、成田着の航空便で帰国。世界挑戦権を得たことを受け、セレス小林会長と約2週間のロサンゼルス合宿に行う計画を立てていることを明かした。

「次(世界戦)も米国になるかもしれない」と明かした岩佐は「向こうの選手とスパーリングできることがうれしいです。次が本番ですから、一から準備して気合をもう1度入れたい。今を上回る練習がしたいので」と米合宿を歓迎した。同会長も「オレ自身、(米国の)採点方法も含めて勉強し直さないといけない。それで自分の指導も指示も変わるから」と師弟で“米仕様”を意識した。

フアレス戦では7~8回に起こった2度目のバッティングでカットした右目上は6針も縫った。両目の周辺をカットしたのは初めてという岩佐は「相手が1回からガンガンきた。すごいプレッシャーでしたけれど、自分が5~6回ぐらいで足を使ってやられてもしようがないと思い、開き直って正面衝突した。後半でスタミナ勝負できたことが大きい」と手応えを口にした。

メキシコ系の観客も多くいるアウェーに近い会場で勝てた自信は大きかった。海外初勝利できた手応えも胸にある。岩佐は「気持ちは出せたと思います。試合内容はやりたいことをつぶされて出せなかったですが、気持ちを出せて勝てて良かった」と安堵(あんど)の笑み。セレス小林会長は「今回は70点以上のでき。次に(再び)世界を取れば100点です。まだ30点の伸びしろがあると思う」と期待を寄せていた。

岩佐は昨年8月の同級王座陥落後の初試合で、海外は15年に英国での世界初挑戦以来2試合目だった。2度目の防衛戦で敗れた相手のTJ・ドヘニー(アイルランド)が現在も王者。1月に高橋竜平(横浜光)を11回TKOで下した直後のリングで、WBA同級王者ダニエル・ローマン(28=米国)との統一戦をアピール。岩佐の王座返り咲きを狙う再挑戦は、時期も世界王者も流動的になっている。