高校5冠のミニマム級の若手ホープ重岡銀次朗(19=ワタナベ)がわずか1分35秒のTKO勝ちでプロ2戦目を飾った。タイのギアッポン・グムサワット(20)相手にいきなり2度ダウンを奪い、圧倒。豪快な右フックで沈め、4月の故郷熊本での3戦目へ弾みをつけた。

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控室に戻った重岡は「もうちょっとやりたかったです…」と物足りなそうな表情をみせた。開始30秒で右ストレートでダウンを奪い、続けざまに右ボディーで2つ目のダウン。しぶとく立ち上がる相手に、すかさずキレのある右フックを見舞い、わずか1分35秒でタイ選手をリングに沈めた。自慢のスピードも連打も見せる機会はなし。「駆け引きとかもなくてただパンチ打って倒れたって感じ」と苦笑いするしかなかった。

ただ、短時間でも「いろんなパンチを打てた」。多彩な技でその才能を見せた。小4からボクシングを始め、熊本の開新高時代には5冠を達成。兄優大は20年東京五輪を目指すため拓大に進んだが、「テレビで亀田さんや長谷川さんを見て、プロになることしか頭になかった」。昨春高校卒業とともに上京し、ワタナベジムへ入門。9月に3回TKO勝利で堂々のデビューを果たした。

「今の時点で世界を取れる自信がある」と既に目線は世界のベルトに焦点を定める。4月14日の次戦の場所は地元熊本。「次はもっと面白い試合をします」とリング上で宣言した通り、家族の前で世界につながる戦いを見せるつもりだ。【高場泉穂】