ボクシングの真正ジムは28日、神戸市内で会見を開き、WBO世界女子ミニマム級王座決定戦への佐伯霞(22=真正)の出場と、元WBO、WBA、IBF女子同級王者多田悦子(37=真正)が日本女子史上初の主要4団体制覇に向け、WBC同級挑戦者決定戦に臨むことを発表した。2人は4月27日、エディオンアリーナ大阪第2競技場で試合を行い、その興行は全7試合中6試合が女子ボクシングとなる。

佐伯は世界女子ジュニア48キロ級金メダルなどアマチュアで実績を積み、近大を中退して昨年5月にプロ転向した。プロキャリア1年、同4戦目での世界挑戦で「こんなに早く、自分の夢の世界タイトルに挑戦できるとは思わなかった」という。相手のエリザベス・ロペス(26)は身長145センチで、154センチの自分より9センチも小さい。「自分の距離で強いパンチを打つことを心掛けます」と話した。

多田は主要4団体で唯一ベルトを奪っていないWBCに照準を合わせ、今回、佐伯が挑むWBOのベルトを3月20日に返上した。相手のカニャラット・ヨーハンゴー(20=タイ)を「正直、力の差があるのでKOで倒したい。ここは通過点と思ってます」と話した。

女子ボクシングの超新星と、歴史を支えた大ベテラン。佐伯は多田を「ふだんはちょけて(ふざけて)ばっかりやのに、ボクシングの話になると何でも教えてくれる。心強い先輩です」という。多田は佐伯を「素質のかたまり、センス抜群です。ただ厳しく言えば、その才能に溺れず、体のメンテナンスなどにもしっかり取り組んでほしい」と評価。同ジムの山下会長は女子ボクシングの普及に力を注いでおり、2人の活躍が起爆剤になることを期待している。