ボクシング前WBA世界ミドル級王者村田諒太(33=帝拳)が6月10日から強力な「援軍」を迎える。

7月12日にエディオンアリーナ大阪で、昨年10月に判定負けを喫した現王者ロブ・ブラント(28=米国)との再戦を控え、6日には都内の所属ジムで練習を公開。84年ロサンゼルスオリンピック(五輪)の米国ボクシング代表監督などを務め、プロでも過去20人以上の世界王者を指導したケニー・アダムス・トレーナー(78)が9日から約1週間の日程で来日。ブラント攻略に向けた戦術面のアドバイスを受けるという。

村田は「ボクシングの指導ではなく、戦術の相談ということです。試合まであと1カ月で作戦の相談をするには良い時期だと思う」と名トレーナーの合流を歓迎した。アダムス氏は現在も、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ決勝でWBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(大橋)と対戦する5階級制覇王者で現WBA世界同級スーパー王者ノニト・ドネア(フィリピン)を指導するバリバリの現役トレーナー。旧知の関係にある帝拳ジムの本田明彦会長も「やっていることの確認と万全を期すため」と招く意図を明かした。

5日に8回のスパーリングを消化したという村田は「きつかったですけれど、ボクシングの調子はいいです」と順調な調整ぶりを強調。6日のジムワークではカルロス・リナレス・トレーナーとの入念なミット打ちなどで汗を流した。来週からは名伯楽の“頭脳”も入れ、ブラント撃破へのイメージを膨らませていく方針だ。