ボクシング東洋太平洋ミドル級3位細川チャーリー忍(34=金子)が、新婚初戦で王座奪回を狙う。

9日の東京・後楽園ホールでの同王座決定戦の前日計量が、8日に都内で行われた。細川は72・1キロ、同級9位太尊康輝(26=角海老宝石)はリミットの72・5キロでクリアした。

細川は紫都那さん(30)と令和に改元初日の5月1日に結婚した。10年近く交際していた仲で、計量にも付き添ってもらった。発奮材料に負けられない一戦となるが、細川は「今回だけじゃない。毎回負けられないよ」と笑った。

2月にWBOアジア太平洋と2冠の初防衛戦で陥落した。王座獲得の野中悠樹(41=井岡弘樹)と再戦を狙っていたが返上。方向転換して、再起戦で返り咲きのチャンスとなった。

長身サウスポーとの連戦になるが「やりづらく、体も大きく、パワーのある相手だが、気にはならない。減量もやりやすかったし、調子いいっす」と口も滑らか。KO狙いには「もちろん」と即答。「KOを見に来てくれている」と自信を見せた。

太尊は16年に王座を獲得し、17年の3度目の防衛戦で陥落した。今年、心機一転でジムを移籍し、2戦目で早くも奪回のチャンスを得た。試合が正式に決まったのは3週間前。「夏に試合できればと思っていた。早いかなと思ったが、チャンスなんで二つ返事で決めた」と話す。

過去2敗した相手はいずれも現在の石原トレーナーが担当していた。ともに移籍してコンビを組むことになったが「弱点は修正してきた」と石原トレーナー。太尊は「練習してきたことを試合で出すのが永遠のテーマ。経験の差は違う自負がある」と自信を口にした。

王座陥落で後援会が解散などの悲哀も味わった。細川は早期KOを宣言したが、太尊は「勝ち残らないと意味ない。戦って勝つのが仕事。判定でも勝てればいい。いかにダサク勝つか」と、大口は控えて勝利に執着を示した。

8月3日には日本同級王者竹迫司登(25=ワールド)と同級1位加藤収二(28=中野サイトウ)が再戦する。元王者対決を制した新王者は、この勝者と指名試合が義務付けられている。