武藤敬司(56)がプロレスデビュー35周年記念試合を勝利で飾った。歴代の入場曲メドレーで華やかに登場し、全日本時代に抗争したTARUらブードゥー・マーダーズ勢と6人タッグで対戦。

集中攻撃を浴びるが、最後はLOVEポーズからゾディアックにシャイニングウィザードを決め、3カウントを奪った。

昨年両膝に人工関節を入れる手術を受け、今年6月に復帰。膝の不安を抱えながらリングに上がっている。今回は30日後楽園ホールでのマスターズの試合から中1日。「なんだかんだ恐怖心もある。(会場まで)来る道もいやだといったのは膝の不安もあったりするから。その不安を乗り越えるのはなかなか大変」。疲れと不安を抱えて臨んだだけに「一気にアドレナリンが出た。いい形で終わることができた」と試合後はほっとした表情をみせた。

復帰後は膝に負担のかかる必殺技「ムーンサルトプレス」を封印。新たなスタイルを模索しながら生涯現役を目指す。「前から公言している“引き算のプロレス”をどこまで磨くか。技を少なくしても魅了するスタイル。そこを極めていかなくちゃ。そのパイオニアとしてやることで、たぶん他のレスラーもまねしてくると思う」。

引き算だけでなく「もちろん足し算もやる」と新技にも意欲をみせた。「シャイニングにしてもドラゴンスクリューにしても、4の字にしても、なかなかお客さまに定着しているからそれを超える説得力のある技を作るのは至難の業。でもそこに挑戦していかないと退化する」と自分を奮い立たせた。

「生涯現役をやるため、3日で2試合というのは少し自信になっている」。8日に全日本金沢大会、16日にノア大阪大会と、休まずリングに上がる。