クルーザー級の愛鷹亮(29)がヤン・ジェグン(22=韓国)に1回57秒、KO勝ち。王者シナ・カリミアン(31=イラン)の負傷欠場でタイトル戦が直前で流れた鬱憤(うっぷん)を晴らした。

立ち上がりは、急きょ出場したヤンが気合を見せ、右のローキックを先にヒットさせた。愛鷹は右フック、右ストレートで応戦。しかし、ヤンも左右の拳を振り回して当て、また右ローも決めた。しかし、ここでヤンが右肩を脱臼。座り込んで試合続行不能となり、愛鷹のKO勝ちとなった。

愛鷹はリング上のマイクで「2日前にも関わらず、日本に来てくれたヤン選手ありがとうございます」とまず、相手に感謝の弁を述べると、「タイトルマッチが無くなってしまって本当にショックだったんですけど、試合を見せることができました。本当にありがとうございます」とファンと関係者にも感謝した。そして、「自分の夢だった20代でのK-1チャンピオンの夢はかないそうにありませんが、夢は見続けていけば新しい夢も見つかると思うので、30歳でK-1チャンピオンになります」と誓った。

8月の大阪大会で、カリミアンとノンタイトルで対戦、3回57秒に右フック1発でKO勝ちした。今回の再戦でベルト奪取を狙っていたが、カリミアンがイラン帰国中の19日、あばら骨を負傷し、12週間の加療を要すという診断となった。試合も消滅かと思われたが、来年のタイトル戦仕切り直しに向け、愛鷹が再び1歩を踏み出した。

「この日のために3カ月やってきた。直前に”ない”と言われ、昨日の会見では涙が出そうになったが、こらえた」という愛鷹。「来年3月のケーズフェスタでタイトルマッチができたら、と思う。必ずK-1のベルトを取ります」と誓いを新たにしていた。