プロボクシングの世界ミニマム級で4団体を制し、アマチュアで東京オリンピック(五輪)を目指したがかなわず、プロに再転向した高山勝成(37=寝屋川石田)の4年ぶりとなるプロ復帰戦が急きょ中止となった。

23日に兵庫・三田市総合文化センターでWBC世界ライトフライ級11位小西怜弥(27=SUN-RISE)と48・9キロ契約6回戦で対戦予定だったが、前日計量後のPCR検査で小西が陽性と判定され、試合中止が決まった。小西は既に22日の判定後から隔離中で、現在保健所の指示を待っているという。アマチュアに転向し、東京五輪挑戦が終わった高山は約4年3カ月ぶりにプロ復帰戦に臨む予定だった。メインで予定されていた高山の試合以外、興行は開催された。

試合の最後に高山はリングに登場。「4年3カ月ぶりの(プロの)試合を楽しみにしていた。(新型コロナウイルス感染は)だれにも起こり得ること。とても残念だが、次に向けて突き進みたい」。関係者によると日本ボクシングコミッション(JBC)規定の“定年”を超える特別措置の試合だったが、今回の事案を含め延長に問題はない。高山陣営は年内の試合実現を見据えている。

大阪で予定されていたWBA世界ライトフライ級スーパー王者京口紘人の試合に続き、関西で試合前日のコロナ陽性判明での試合中止が続いた。JBCの安河内事務局長は「ボクシングへの深刻な影響を実感できる。対策はしているが、これといった決定打を打てない状況。今後も協議していきたい」と語った。