天山広吉(49)が代名詞であるモンゴリアンチョップを失った。グレート・O・カーンとの一戦は敗者がモンゴリアンチョップを封印する条件で行われたが、エリミネーターからの片エビ固めで3カウントを奪われた。

負けたら封印となるモンゴリアンチョップの応酬となった。序盤から、相打ちするなど、お互いに1歩も引かない展開。これまでと違い、椅子やテーブルは持ち込まれず、体だけで正々堂々とぶつかり合った。

敗戦後は悔しさからか、珍しく、バックステージでもノーコメント。一方、勝利したO・カーンは笑みを浮かべながら「モンゴリアンチョップを獲得できたのは大きな収穫。弱い者いじめは楽しかった」と言い放った。

因縁の発端は6日東京ドームシティ大会だった。試合後にO・カーンが天山ツームストーンドライバーを見舞い、担架送りに。激高した天山は「1000倍返しだ」と23日の復帰戦から、椅子を持ち出し、殴打するなどして徹底的に痛めつけた。

両者の前哨戦は3試合連続で無効試合の大荒れ。日を追うごとに怒りが増した天山は「決着をつける」と真っ向勝負でこの日のシングルマッチに挑んだが、掟破りの天山ツームストーンドライバーを食らい、リングに沈んだ。

今月11日にデビュー30周年を迎えた。出はなをくじかれ、持ち技を失った天山は、今後どのように戦っていくのか。試練のスタートとなった。