19日の岩手大会で左大胸筋完全断裂のけがを負い、全治6カ月と診断された高橋ヒロム(31)が、IWGPジュニアヘビー級のベルトを返上することを明かした。

高橋は包帯を体に巻いた状態でベルトを肩にかけてリングに登場。「自分の夢はジュニアヘビー級のベルトを巻いたままゴールデンタイムで試合をすること、そして東京ドームのメインでジュニアヘビー級王座選手権をやること」と語り、夢実現のために手術を決断したことを報告した。

高橋は28日に大阪大会で行われる予定だったファンタズモとのタイトルマッチは欠場。「BUSHIさんに代わりに出て欲しい」と同ユニットの仲間に託した。これにはこの日ジュニアタッグ新王者に輝いたデスペラードが反論。高橋が返上したベルトを持ってこさせ「お前らのシングルマッチは認めない。どう考えたって次は俺だ。100万歩譲って3WAYならやってやるよ」と発言。3人でのベルト争いが勃発した。

高橋の提案に割り込んだ形のデスペラードだが、昨年のベスト・オブ・ザ・スーパージュニアでは王者高橋に惜敗し、準優勝。実績を伴っての発言に自信を持つ。「返上して歴史が途切れたのに、ケガしたチャンピオンの推薦でいいのか。能力のある人間が戦って奪い合うからこそのベルトだろう」と会社に提言した。

現時点で唯一タイトルへの挑戦権を持つを持つファンタズモはデスペラードの言葉にうなずき、3WAYを受けて立つ意向を見せた。BUSHIも「3WAYでも俺は別に構わない。2人に借りはあるからな。ヒロムのためにも俺がチャンピオンベルトを巻く」と仲間の分まで背負ってリングに立つ意志を見せた。

高橋の欠場によって勃発した3人のベルト争いはどのような展開になるのか。新日本の決定が待たれる。【松熊洋介】