頭脳プレーでベルトを再奪取した。IWGPジュニアタッグ選手権は、前王者で挑戦者の金丸義信(44)、エル・デスペラード組が石森太二(38)、エル・ファンタズモ(34)組を破り、3度目の戴冠を果たした。

当初対戦予定だった高橋、BUSHI組が、高橋の左大胸筋完全断裂のケガにより欠場。23日の後楽園大会で挑戦表明し、対戦が実現、リベンジに成功した。

ファンタズモの疑惑の右足を逆に利用した。終盤、金丸がファンタズモに蹴りを要求。右足を受け止めると、そのまま振り回し、石森の顔面にヒットさせた。KOされた石森にデスペラードがピンチェ・ロコを決め、3カウントで沈めた。金丸は「1発でベルト取り返してやったよ」としてやったりの表情を見せ、デスペラードも「タッグとしての能力は雲泥の差。あるべき場所にベルトが戻ってきた」と話した。

2人は今年1月23日の大田区大会で石森、ファンタズモ組に敗れ、ベルトを失った。それまでの前哨戦でファンタズモの強烈な右足の蹴りを受けていた金丸は「靴に何か入っている」と訴えたが、聞き入れられず。レフェリー2人も負傷退場する大荒れの中、またしても金丸がスーパーキックでKOされた。その後も他選手が次々と食らってもん絶。謎は解明されないままこの日を迎えていた。

背中引っかき攻撃など、卑劣な技で攻撃を仕掛ける相手に苦しみながらも勝利を手にした。金丸は「この戦い方、よく覚えとけよ。これが俺とデスペラードのタッグチームだ」。17年からパートナーを組む2人。ファンタズモの靴の謎は解明されなかったが、華麗なコンビネーションで奪ったベルトに、ようやく納得の表情を見せた。【松熊洋介】