2度の世界挑戦の経験を持つWBO世界スーパーバンタム級11位赤穂亮(34=横浜光)が11連勝を飾った。アマ経験豊富な警察官ボクサー杉田ダイスケ(32=ワタナベ)との10回戦に臨み、2度のダウンを奪って3回1分49秒、KO勝利を収めた。初回に左アッパーで攻め、豪快な右フックでロープまで飛ばしてスタンディングダウンを奪うと、3回には左ボディーをねじ込みながら再び右フックで2度目のダウンを奪ってキャンバスに沈めた。

試合直前、関係者を通じて公私ともに交流の深い世界5階級制覇王者ノニト・ドネア(38=フィリピン)から激励メッセージをもらった。5月29日、WBC世界バンタム級王者ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)を4回TKO撃破し、世界王者に返り咲いたドネアに「刺激されました。ちょっと荒くなりましたけれど、アマで100戦以上やった選手と戦って経験になった。ほっとしたし、次に臨める」と表情を緩めた。

昨年5月に再婚し、すぐに3姉妹のパパとなった。3人の娘がそろって観戦する中、鮮やかなKO勝利を飾った。赤穂は「リングに上がったら娘3人がいて泣きそうになりつつ、落ち着けた部分もある。今が幸せ」と言いつつ「でも17歳の時、バッグ1つで栃木から上京したのは世界王者になるため。世界を目指さないのなら引退すればいいし、自分は世界を目指す。勝って次がつながる。今が青春で、青春は続く」とうなずいていた。