メインで行われたハイスピード選手権は、スターライト・キッドが王者なつぽいに勝利し、8度目の挑戦で初の王者に輝いた。

終盤何度も押さえ込んでは返されたが、最後はコーナートップから鮮やかなムーンサルトを決め、スター・スープレックス・ホールドで沈めた。「諦めなければベルトは巻けるということを証明できた」と力強く語った。

喜び半分、怒り半分だった。17年末から約4年で悲願の初戴冠。なつぽいには今年3月にも挑戦して敗れていた。「新しく来た人にも横取りされて…。7回も負けてきて、こんなに恵まれないベルトがあるのかと思った。ムカつくよ、こんなベルト」と、これまで味わってきた屈辱を思い出し、胸の内を語った。

今年6月に大江戸隊の全面戦争に敗れ、それまで所属していた岩谷率いるSTARSから強制移籍させられた。マスクも含め、コスチュームを黒に変え、再スタート。その後奪還マッチも行われたが、戻ることを拒否した。ヒール役を受け入れる覚悟を決め、かわいらしさを一蹴。パフォーマンスも力強さを増し、チャンスをしっかりものにした。

「私だけのハイスピードに染めてやる」と思いは強い。「もっともっとハイスピードを活性化させたい。誰の挑戦だって受け入れる。今度は私が天罰を下す番だ」。苦労して手に入れたベルトは簡単には手放さない。