新日本プロレスG1クライマックス31で、19日に初戦を迎えるIWGP USヘビー級王者の棚橋弘至(44)は、最大のライバルであるオカダ・カズチカと激突。いきなり優勝候補同士の対決に注目が集まる。

棚橋は06年にIWGPヘビー級初戴冠。その後11年からは11度、12年からは6度の防衛をしてきたが、いずれもオカダに止められた。世代交代を感じたが「頼もしい存在。11歳違うので世代を超えたライバル」と実力を認め、切磋琢磨(せっさたくま)してきた。「絶対王者だし、ベルトを巻いていないオカダがどう舞い戻ってくるか」と同組のライバルを分析した。

02年から20年連続20度目の出場。もはや常連の域を超えているベテランが3年ぶり4度目の優勝を狙う。満身創痍(そうい)の中、連続出場を続けられるのは、自己管理のたまもの。5月からの100日間ダイエットは10月下旬まで50日延長となったが、想定内。G1を戦いながら、来月21日の優勝決定戦に向けてベストな体に仕上げる。もともと太る体質で、40代になってから体調や食事管理を心がけた。19年には4年ぶりのIWGPヘビー級王者に返り咲き、今年1月にNEVER無差別級王座を戴冠、8月にUSヘビー級王者に輝くなど好調を維持している。

心身ともに充実している棚橋は、9月4日の初防衛の相手に誤嚥(ごえん)性肺炎で欠場していた飯伏を指名した。飯伏の復活した姿をファンに印象づけ、自身も強さを見せつけて完勝。試合後は「飯伏、お帰り」と自分のことよりも先に、復帰した飯伏に言葉をかける器の大きさも見せた。

棚橋は優勝後の来年1月東京ドーム大会まで見据える。「G1から来年の東京ドームまで、ぜひ棚橋目線で見ていった方がいいと思う。コロナ禍を乗り越えてチャンピオンにたどり着く物語をお見せする」。有言実行となるか。棚橋の20回目のG1がスタートする。【松熊洋介】