輪島家DNA強し!! 元WBA、WBC世界スーパーウエルター級王者輪島功一氏(78)の孫、磯谷大心(たいしん、20=輪島功一スポーツジム)がプロデビュー戦で1回TKO勝ちを飾った。同じくデビュー戦の羽賀彬光(35=DANGAN越谷)と拳を交え、右ストレートで1度目のダウンを奪い、連打の追い打ちでレフェリーストップ。1回1分23秒、TKO勝利。祖父、叔父大千(ひろかず、現ジム会長)、孫の全員が1回KOデビューという記録を打ち立て、孫はKOタイムで2人を超えた。

    ◇    ◇    ◇

磯谷は正智深谷高時代、サッカー部に所属していた。日本代表オナイウ阿道らを輩出し、全国大会にも名を連ねる強豪で、セレクションを経てGKとして入部。小島時和監督は「背が高くて手足が長い。身体能力が高かった」。上下左右の反応は抜群で、特にパンチングが光った。当初はAチームでプレーも、キックやハイボールの処理などに課題があり、3年ではBチームに。だが、腐ることなくまじめに取り組み、小島監督は「AでもBでも一生懸命やることは貫いてくれた。公式戦ではGKのサポートや応援もしっかりやってくれた」と話す。

高校は寮生活。寮には、祖父の輪島功一氏から食料品の荷物がよく届き、寮のスタッフ間では「輪島さんからだ」と話題になったことも。卒業の際、小島監督は「プロになったらデビュー戦、見に行くよ」と磯谷と約束した。今回は全国高校サッカー選手権の県予選前で生観戦はできなかったが「高校時代はグローブをはめて戦うイメージはなかった。TKO勝ちは大したものですね」と教え子の活躍を喜んでいた。【岩田千代巳】

◆磯谷大心(いそたに・たいしん)2001年(平13)7月4日、東京・三鷹市生まれ。幼稚園からサッカーを始める。ポジションはGKで、埼玉・正智深谷高3年まで続けた。19年12月から本格的にボクシングの練習を始め、20年10月にプロテストに合格。身長182センチの右ボクサーファイター。