新日本プロレス東京ドーム大会、レッスルキングダム(WK)16が4日、いよいよ幕を開ける。92年から毎年1月4日に同会場で開催され、07年からは現在の名前で定着。プロレス界の年明けを告げる一大イベントだ。今年、新日本プロレスは創立50周年を迎えた。WKは4、5日の東京ドーム大会の2連戦に加え、8日の横浜アリーナ大会で約5年ぶりのプロレスリング・ノアとの対抗戦が行われる。

日刊スポーツではWKの見どころを全3回で紹介。第1回は4、5日のメインイベント、IWGP世界ヘビー級選手権試合。

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新日本プロレスの象徴とも言えるヘビー級のトップベルト。鷹木信悟(39)、オカダ・カズチカ(34)、ウィル・オスプレイ(28)の3人がこのベルトを巡り、混沌(こんとん)とした状態になっている。

4日は第3代「IWGP世界ヘビー級王者」鷹木の4度目の防衛戦で、昨秋のG1クライマックス覇者オカダを迎える。5日は、8カ月ぶりの新日本マットとなるオスプレイが、4日の勝者に挑戦する流れ。だが、オカダもオスプレイも挑戦者ながら、それぞれが主張するベルトを持っている。

ベルト問題の始まりは、昨年3月にIWGPヘビー級王座と同インターコンチネンタル王座を統一した飯伏幸太が初代「IWGP世界ヘビー級王者」になったときまでさかのぼる。

同4月の両国大会で飯伏に完勝したオスプレイが2代目「IWGP世界ヘビー王座」を戴冠。同5月に鷹木の挑戦を退けて初防衛を果たすも、試合中に首を負傷し、オスプレイは王座返上と帰国を余儀なくされた。同6月、空位になった王座をかけて鷹木とオカダが対決し、鷹木が3代目「IWPG世界ヘビー級王者」になった。だが、この返上を不服としたオスプレイは、米国のマットで自作した「レプリカベルト」を持ち歩き、王者を主張するようになった。

一方のオカダは、秋に行われたヘビー級選手による最大級のリーグ戦G1クライマックス優勝決定戦で、飯伏を破って7年ぶりに同リーグを制覇。だが、飯伏の誤爆負傷によるレフェリーストップでの優勝に「またやりたい。飯伏を待つ証明として飯伏が封印した4代目IWGPヘビーのベルトを俺に下さい」。これにより、飯伏が3月の統一で封印した「世界」の名前が入る前の「IWGPヘビー級王座」のベルトを挑戦権利証として持ち歩くようになった。3人がそれぞれのベルトを持つカオスな状態が形成された。

この状況に鷹木は「ハッキリ言って新日本が迷走してるよ、迷走してる」と不快感をあらわにし「正しい道を作れるのは俺しかいない」と勝利を宣言した。一方のオカダは「鷹木さんはチャンピオン初心者」、オスプレイは「シンゴ(鷹木)が相手なら、俺へのリベンジ。オカダが相手なら、俺にとってリベンジ。なんともおもしろい話じゃないか?」とそれぞれに挑発。WKで、混迷を極めたベルト問題に終止符が打たれる。