前RIZINフェザー級王者の斎藤裕(ゆたか、34=パラエストラ小岩)が、失った物を取り返す戦いに挑む。

17日開催の総合格闘技RIZIN35大会(東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)で、現同級王者牛久絢太郎(27=K-Clann)に挑戦する斎藤は6日、オンライン形式で練習を公開し、「結果にこだわりたい」と意気込みを語った。

止まった時間を動かす。昨年10月の横浜大会で、王者として牛久の挑戦を受けたが、2回途中に膝蹴りを受けて右目上部を出血。「まだできる」という訴えもむなしく、ドクターストップによるTKO負けをした。

この日、改めて当時の心境を聞かれた斎藤は、「正直こんな傷で止めるのかと思った。受け入れるまでに時間がかかった」と思いを吐露。「自分の中では試合は終わってないと思っているので、完全決着させたい。タイトルマッチなので0か100しかない」と力を込めた。

飛び膝蹴りは「偶然」という意見もあるが、「もらった理由はあると自分で解釈している」と冷静に分析。「同じ攻撃をもらわないのは当たり前。自分から攻めていく気持ちは持っている」と、恐怖心はない。

ベルトだけでなくファンからの信頼も取り戻す。牛久戦に続く、昨年の大みそか大会では20年11月に勝利した朝倉未来にリベンジを許し、2連敗を喫した。目の付近を負傷し、練習に戻るのにも時間を擁した。

それでも、「そこまでナーバスになりすぎていない」ときっぱり。3月に入ってから、感覚やコンディションは日に日に上向いているといい、「試合は大丈夫。流れを変えたい」と話した。

「勝てればなんでもいい。勝てば官軍ですから」と勝利を渇望する斎藤。2週間を切った試合当日まで、心身を万全の状態に仕上げていく。【勝部晃多】