男性ボクサーとして復帰を目指す、元WBC女子世界フライ級王者の真道ゴー(34=グリーンツダ)が21日、大阪市内の所属ジムで会見した。

性同一性障害に悩んできた真道は17年10月に引退。性別適合手術を受けて、戸籍も男性に変え、パートナーと結婚し、3人の子どももいる。

しかし、ボクシングへの情熱が再び湧き上がり、昨年5月にジムの本石昌也会長に直訴。男性ボクサーとして、リングに立てるよう動きだした。

今年4月5日にジムで公開スパーリングを行い西日本ボクシング協会理事会で承認を受け、4月12日に全日本ボクシング協会からも承認された。日本ボクシングコミッション(JBC)にプロテストを受けられるよう嘆願書を提出。その返答を待っている状況で、会見を開いた。

真道は「(性別に)違和感があり、命を絶つことを考えたこともあった。生きる道を作ってくれたのがボクシング。生まれ持った体の違い。筋力、骨格はなりたくてなれるものではない。いばらの道は分かっている。不可能という声も聞くが、やらな分からんやろという思い」と言った。

7月18日にプロテストを受験できる制限年齢の35歳を迎える。次回にプロテスト実施予定の5月15日が目標で、本石会長は来週にもJBCへ直訴に行くという。プロテストがかなわない場合は、ライセンスの再交付を求める。

「年内にリングに上げたい」と本石会長。女性から男性へ、プロボクシングのリングに上がったのは米国で1例、あるという。日本ではもちろん、前例のない挑戦。真道は「人生で味わったことがないドキドキと恐怖を教えてもらった。やるかやられるかは、ボクシングにしかないスリル。とにかく1勝したい」と力をこめた。【実藤健一】

◆真道(しんどう)ゴー。本名橋本浩(はしもと・ごう)。旧名めぐみ。1987年(昭62)7月18日、和歌山県生まれ。小学校からバスケットボールを始め、天理大1年で中退しボクシングを始める。08年4月、プロデビュー。13年5月に世界王座獲得。女子での戦績は16勝(11KO)4敗。身長167センチの右ボクサーファイター。