WBO世界ミニマム級王者谷口将隆(28=ワタナベ)がリスクの高い防衛戦でベルトを死守した。

前日計量で2・5キロ近く体重超過した同級5位石沢開(25=M.T)との初防衛戦。ウエートで2階級近く上の挑戦者に対し、11回2分29秒、TKOで勝利した。 谷口の主な一問一答は次の通り。

-試合を振り返って

谷口 試合となったら勝つか負けるか。やるかやられるかなので、相手の調子がいいとか気にせずに勝つことだけを意識した。(相手の)気合が入っていたので「本気だ」と思いました。

-前日計量からの気持ちの変化

谷口 明日頑張ればいいかとなったので、戦闘モードに入れるしかない。モチベーションの上げ下げはあんまりなくて。

-石沢について

谷口 意図的に落とさないというのは(ないということを)、彼の性格的に知っているので。何かアクシデントがあったんだろうなと思った。性格的にもすごく落ち込んでいただろうし思い詰めていたと思う。出稽古などでも知っている。すごく真面目。

-声がけした

谷口 「すいませんでした」と言われて「ここで謝るのは違う」と。ボクサーは隣り合わせ。明日はわが身ということが確認できた。

-最初は

谷口 1キロは落としてほしかったのは正直なところ。究極の1キロ。この差はすごく大きいので。

-試合内容

谷口 いつも通り。チームのみんなのサポートのおかげでいつもの谷口が出せた。

-注意した点

谷口 一撃があるのは分かっていたので、しっかり見るようにした。変に足を使ったりガッといこうとはせず、いなす努力をして空いたところに打った。緩急はあった。慎重に戦っているなと思った。最後まで余裕はなかった。「気を抜いたら一瞬でやられる」と思った。極端に体調は悪いようには思わなかった。

 

◆谷口将隆(たにぐち・まさたか)1994年(平6)1月19日、兵庫・神戸市生まれ。中学1年でボクシングを始め、神戸一高、龍谷大でボクシング部に所属。アマ戦績55勝(16KO)19敗。16年4月にプロデビューし、17年4月の日本ミニマム級王座決定戦、同11月の東洋太平洋同級王座決定戦で、いずれも判定負け。18年11月にタイでWBOアジアパシフィック同級王座獲得。19年2月にWBO世界同級王者サルダールに判定負け。20年12月に日本同級王座獲得。昨年12月に当時の王者ウィルフレド・メンデス(プエルトリコ)に11回TKO勝ちし、新王者に。身長162センチの左ボクサーファイター。家族は母、姉3人、弟2人。