元2階級制覇王者でWBA世界スーパーバンタム級3位の亀田和毅(30=TRYBOX平成西山)が23日、兵庫県西宮市内の所属ジムで取材に応じ、ボクシングに転向する那須川天心(23)との対戦を熱望した。

和毅は、ジム移籍初戦として7月30日に神戸市中央体育館でウィリアム・エンカーナシオン(33=ドミニカ共和国)とフェザー級10回戦を戦う。エンカーナシオンはロンドン五輪代表のオリンピアンでWBCラテンアメリカスーパーバンタム級王者。強打を誇るオーソドックスのボクサーファイターだ。

強敵との一戦。だが、和毅の視線はその先を見据える。キックボクシングで頂点を極めた天心が、ボクシング界に挑んでくる。スーパーバンタム級、フェザー級が有力とされ、そこは和毅と同じ土俵となる。

和毅は「ボクシング界が盛り上がるなら、喜んでやりたい。下(違うカテゴリー)から出てくる選手が出てこないと、ボクシング界は盛り上がらない。自分はその壁になりたい」と言った。

那須川の武尊との試合も動画中継でしっかりチェックした。「反応、スピードはすごいと思うが、ボクシングでどれだけ引き出しがあるか。6回戦、8回戦レベルなら問題ないと思うがタイトルマッチの10回戦、12回戦は未知数。武尊戦でも3回にはスタミナが危なかったように思うし、そこは分からない部分が多い」と話した。

和毅はベルトへのこだわりはない。「もう2回、ベルトはとっているし、関係なく(天心とは)やりたい。見ている人の記憶に残るような、そういう試合をやりたい」。元世界2階級制覇王者とキック界の頂点を極めた男との対戦が実現すれば注目度、盛り上がりは間違いない。

和毅も日本のボクシング史に残る、ビッグマッチ実現だけを願っている。【実藤健一】