18年以来となるG1・4度目の優勝を目指す棚橋弘至(45)が、涙のリーグ戦初勝利を挙げた。

内藤哲也(40)とのCブロック公式戦に臨み、22分22秒、首固めで3カウントを奪取した。マイクを持ったエースは「ご来場本当にありがとうございます」。座った状態からリングにつかんばかりに頭を下げ、ファンへの感謝を示した。

同じ轍(てつ)は踏まない。今春のニュージャパンカップ3回戦では、内藤のジャックナイフ式エビ固めで丸め込まれたフォール負けを喫していた。終盤に同じような場面が巡ってくるも、意地のキックアウト。好機と見た内藤はバレンティアからのデスティーノを狙ってきたが、首固めで切り返し、逆転の3カウントを奪ってみせた。

22分22秒の決着。大きく両拳を突き上げたエースは、やり切った表情を浮かべた。約5年ぶりとなる対内藤戦の勝利で、対戦成績も8勝8敗1分けの勝率5割に戻した。「皆さんへの気持ちはどこでお返しすればいいのか、どういう形で皆さんにプロレスを楽しんでもらえるか…。今朝、その答えが見つかりました。G1クライマックス、ちょっくら優勝してきます!」と、1勝1敗からの逆襲を宣言した。

バックステージでもファンへの思いは止まることはなかった。言葉を詰まらせながらも「いつか絶対に俺の手で、他の誰かじゃなくて、プロレスラー棚橋弘至がこの状況を切り抜ける。みんなが楽しめるプロレスにする」と堂々誓った。外国人レスラーも多数参戦する最高規模のG1。それでも、「疲れない男」棚橋が中心にいる。