帝国の支配者が、崖っぷちから生還を果たした。

開幕2連敗を喫していたユニット「ユナイテッド・エンパイア」のグレート・O・カーンが、ここまで1勝2敗の石井智宏(46)を逆転のエリミネーターで破り、念願の勝ち点2を挙げた。

第5試合となったBブロック公式戦で、昨年のG1で敗れている相手と相対した。序盤は静かなグラウンドの攻防を展開も、後半は必殺技の応酬に発展。石井のラリアットでグロッギー状態にさせられたかと思われたが、意地でも3カウント寸前で踏みとどまった。最後は12分59秒、顔面をアイアンクローで捕らえ、後頭部をマットにたたきつける必殺技のエリミネーターをさく裂し、逆転の3カウントを奪った。

2年連続2回目の出場で初優勝を目指すが、ここまでは1つもいいところがなかった。大会前の記者会見では「目標は負けることじゃねえか? 全勝優勝は確定してるんだから」と豪語も、正反対の展開に甘んじていた。

負けたらリーグ戦敗退の危機的状況を、試合と同様に何とか踏みとどまったOカーンは「遊びはここまでだ」と宣言。「ジェイ・ホワイトを倒し、強さもおのれ自身で証明する。期待なんかしなくたっていいよ。手のひらかえさせるのは得意だから」とにやりと不敵に笑った。

この試合で3敗目を喫した石井は、自力優勝の目が消滅した。