“炎の飛竜”藤波辰爾(68)が、自身のデビュー50周年記念ツアーファイナルで、改めて師匠・アントニオ猪木さんの「闘魂」継承を誓った。

10月1日に心不全のため79歳で死去した猪木さんのテーマ曲「炎のファイター」で入場し、最後は「1、2、3、ダァーッ!」で力強く締めめくった。

昨年から1年にわたって開催されてきた同イベントのファイナルは、新日本プロレス時代の弟子である棚橋弘至(46)と激突した。一騎打ちは、約20年ぶり。「50年目の青春」と、気合を込めて臨んだ一戦だった。

昨年発症した左足蜂窩(ほうか)織炎の影響もあってか、体は万全の状態ではなかった。それでも、ドラゴンスクリュー、ドラゴンスリーパーと、ドラゴン殺法を継承した棚橋へ元祖の技をお見舞い。最後は11分44秒、棚橋のハイフライフロー(屈伸式ダイビングボディプレス)に沈んだものの、会場にプロレスの力を届けた。

深紅のロングガウンに、炎のファイター。そして、試合後の言葉でも、師匠への熱い思いを示した。「師匠である猪木さん。本来、猪木さんもこのリングに立ってくれることになっていました。ただ、我々レスラーは猪木さんの遺志を継いで、まい進していきます」。燃える闘魂亡き後も、自身が先頭に立って、その精神を継承していくことを天に約束した。

「衝撃のジャンピングボディープレスを食らって忘れていました…」と頭をかいた藤波だったが、気を取り直し、最後は会場全体で「1、2、3、ダァーッ!」を決めた。デビュー50周年を終えても、“生涯現役”で人々に勇気と笑顔を届けていく。