ボクシング・グリーンツダジムの本石昌也会長(46)が6日、大阪市内のジムで会見し、男性ボクサーで復帰を目指す元WBC女子世界フライ級王者真道ゴー(35)について、今春に決着の見通しを明かした。

同会長によると2月中旬にも真道の案件を審査する第3回の諮問委員会が開催され、その内容をもとに3月の日本ボクシングコミッション(JBC)理事会で審議されて最終的な結論が下されるという。

本石会長は、JBC特命担当事務局長の安河内剛氏(61)とは個人的に意見交換してきたことを明かし、「今の段階で悪い方向にいく感触はない」と手応えを得ている。ただ、今後も同様の事例に対応するルール制定か、真道に限った「特例」となるかは「不透明」とした。

性同一性障害に悩んできた真道は17年10月に引退。性別適合手術を受けて、戸籍も男性に変えた上で、ボクシングへの情熱を失わず21年5月に本石会長に男性としての復帰を直訴し、同会長も実現に向けて精力的に動いてきた。

昨年8月7日に大阪・枚方市で行った興行で、プロテスト受験を認めてもらうためのテストとして「事前評価スパーリング」を実施。JBC側はコミッションドクターに加え、外部の専門家もまじえ、リングサイドで見守った。

しかし、JBC側の回答は「あのスパーリングでは判断できない」であり、結論は先延ばしとなっている。

本石会長は3月の理事会で出される結論を「最終決着とする」と明言した。元女子世界王者が、男性ボクサーとしてリングに立てるのか。2年近くを費やしてきた問題が、本石会長いわく「最終局面」を迎えた。【実藤健一】