ジャンボプリンセスが輝いたままリングを降りた。引退を表明していたひめかが全試合後に引退セレモニーに登場。

「今の私、一番輝いてますよね?」。超満員の観客の前で呼びかけ、プロレスラーとしての最後の姿を届けた。「涙よりも笑顔の方がかわいいから」と言いつつも「出ちゃいますよね」と笑って涙を拭いた。

セレモニーには生みの親・秋山準と、育ての親・堀田祐美子が登場。2人に育てられ「プロレスラーひめか」が誕生。パワフルな技が魅力だが、みんなに愛され、嫌われたくない優しい性格。「向いてない」と感じることもあったが、最後は「天職」とまで言い切るほど。「さみしさも後悔もない」納得の5年間だった。

サプライズ続きの最終回となった。白のドレスで登場も、白川未奈の号令でまさかの全選手との「1分対決」がスタート。「ボロボロになるつもりはなかったけど…」。野球やかけっこ、かわいいポーズ合戦など、試合らしくないものも含まれていたが、ひめからしく、笑顔で最後まで戦い抜いた。

チケットは完売。早い時間から後楽園ホールの入り口には、開場を待ちわびるファンの大行列ができていた。会場内にはプロレス仲間や関係者から多くの花が並び、通路は通れないほど人があふれ返った。「みんなに愛されてリングを降りることができて良かった」と目を細めた。

これで、リングに上がるのは最後。「もうトレーニングも受け身もしなくていい」とおどけた。人前に立つことはないという。「猫と静かに暮らしたい。見かけてもそっとしておいてください」。5年間全力で駆け抜けたジャンボプリンセスは、輝き続けたまま、プロレス人生を終えた。【松熊洋介】