IBF世界ミニマム級暫定王者・重岡銀次朗(23=ワタナベ)が因縁の相手を下し、王座統一に成功した。同正規王者ダニエル・バラダレス(29=メキシコ)との団体内王座統一戦に臨み、5回2分15秒、TKO勝利を収め、初防衛にも成功した。

1回、重岡が左ストレートでダウンを奪って先制。2回にはバラダレスのバッティングによる減点もあった。両者ともに流血すると迎えた5回、重岡が左ストレートでぐらつかせた。さらにロープ際に追い詰めて連打したところでレフェリーストップ勝ちとなった。

今年1月、挑戦者として挑んだバラダレス戦は3回の偶然バッティングで王者が試合続行不可能をアピールし、そのまま無効試合となった。4月に同暫定王座を獲得した重岡が7月に左足を負傷し、8月11日に組まれた再戦が延期となった。約10カ月間続いた因縁は、重岡が自らの両拳で決着をつけた。

ベルト統一&初防衛に成功した重岡は「今日までみなさんのおかげで毎日頑張ってこれました。本当にみなさんありがとうございました。今日は本当にこの正規王座のベルトのために15年間、お兄ちゃん(WBC世界同級暫定王者優大)と2人でボクシングを頑張ってきた。本当のチャンピオンになれた。チャンピオンの自覚を持ってボクシング界を盛り上げるために頑張りたい。自分1人が頑張っても盛り上がらない。隠れている日本の強い選手がいっぱいいる。みんなで1人1人が自覚を持って応援して下さっているみなさんにも注目してくれたら盛り上がる。世界王者の自覚を持って頑張ります。ボクシングは最高です。夢があります。自分もまだまだなので注目、ボクシング界を注目してください」と安堵(あんど)の笑みを浮かべた。

重岡は中学時代まで約40戦無敗、高校時代は通算56勝1敗。高校1年時の総体県大会決勝で兄優大(27=ワタナベ)との対戦が実現した際、兄弟対決を回避したセコンドのタオル投入による棄権負けが唯一の黒星。プロ9勝1無効試合で世界王者となっていた。100戦以上のキャリアで事実上、無敗で世界王座統一を成功させた。バラダレス撃破で、さらに「不敗神話」を継続させる勝利となった。