結び前の一番で敗れた横綱白鵬に対し、審判部から疑問の声が漏れた。

 白鵬は豪栄道の首投げに際どく屈したが、土俵上で礼をせずに、土俵を下りた後もぼうぜんと立ったまま。負けた力士は次の力士に力水をつける必要がなく、控えに座るべきところだが、判定に納得がいかなかったのか、それとも頭の整理がつかなかったのか…。

 審判室に戻ってきたある親方は「早く座れって言おうかと思ったよ」と言い、別の親方は「あれは抗議の意味なのかな?」と疑問を呈した。

 勝負は土俵際でもつれ、捨て身の首投げにいった豪栄道が勝利。豪栄道の体も飛んだが、白鵬の右肘が先に土俵外につくという際どい一番だった。物言いはつかなかったが、NHK大相撲中継解説者の北の富士さんは放送で「物言いが付いたとしても確認程度。子供でも分かるんじゃないですか」と指摘した。

 白鵬は支度部屋で報道陣に背を向け、無言を貫いた。