序ノ口の優勝争いは、千秋楽の優勝決定戦に持ち越された。

 5勝1敗で6人が並んでいたが、この日、鳴滝(18=伊勢ノ海)と若山(24=阿武松)の2人が勝ち6勝目。決定戦で優勝を争う。

 鳴滝は「今場所は押しで勝てているのがいい。千秋楽は緊張するだろうけど楽しみ。将来は横綱を倒せるような力士になりたい」と鼻息も荒い。15年春場所で初土俵を踏んだ兄の京の里(20=今場所は西序ノ口3枚目)を追って伊勢ノ海部屋に入門。京都・日吉ケ丘高時代は近畿大会3位、高校総体や国体でベスト32の実績があるが、力士としては珍しい趣味がピアノという男が、初めて番付にしこ名が載った記念の場所を、優勝で締めくくる。

 一方の若山は、千葉・拓大紅陵高から大東大を中退し11年名古屋場所で初土俵。15年夏場所では幕下の15枚目まで番付を上げたが、同年九州場所で右膝の前十字靱帯(じんたい)を損傷。ほぼ1年は稽古で相撲も取れず、番付外にまで落ちた。先場所、ようやく前相撲を取り土俵に復帰。今場所、再び番付にしこ名を載せた。「相撲を取るのが当たり前と思っていたのが、今は幸せに思います」と話す苦労人。再起の場所を優勝で花を添えたいところだ。