プロデビューから2場所目を迎えた、昨年の学生横綱で西幕下23枚目の水戸龍(23=錦戸)が、6番相撲に勝って4勝2敗とし初の勝ち越しを決めた。デビューの先場所は3勝4敗で負け越していた。

 ラッキーな白星だった。立ち合いは、やや立ち遅れたが突き放して反撃…。と思われた土俵中央で、相手の東幕下18枚目高立(25=木瀬)が、足を滑らせ前のめりにバッタリ。引いた意識は全くないが、引き落としでの4勝目が転がり込んできた。

 幸運な白星に、立ち合いは「(相手を)はじいて次に当たる時は、まわしを取っていこう、と思ったら相手が滑っちゃってて」と振り返り、あっけない勝負ともあって「あまり(勝ち越しの)達成感はないですね」と笑った。「緊張がなくなることはない」と言う中でも徐々にプロの土俵にも慣れ「土俵に上がっても(取り口など)考えられるようになった」と冷静さも備わりつつある。同期入門で、自分の1年あとにアマ横綱に就いた矢後(尾車)は今場所、6戦全勝で関取の座に王手をかけている。そんな状況も「同級生に先に行かれている気持ちはあるけど、自分も上がると信じています」と、ライバルの背中を離されないように追いかけるつもりだ。