新十両で西13枚目の矢後(23=尾車)が、再び3つの黒星が先行してしまった。

 今場所、白星のない東十両12枚目の北はり磨(31=山響)と対戦。

 自分より体重が50キロ軽い相手を懐に飛び込ませまいと、突き放しで主導権を握った。土俵際に詰めては回り込む相手を、常に正面に置いて前進。それでも、執拗(しつよう)に飛び込もうと粘る北はり磨を詰め切れず、回り込まれた正面土俵で形勢は逆転。最後は左から上手投げを打たれ、左肘から落ちてしまった。

 相撲に勝って、勝負に負けた感はある。それは矢後も分かっているのか、言葉も前向き。「相撲自体は悪くない。気にせず明日から頑張ります。まだまだ、これからです」と話した。北はり磨の粘りに一度、引きかけた場面もあったが「それも流れの中で」と、悔やむそぶりはない。前日の4日目、念願の関取初白星を手にして気持ちを新たにした。その姿勢は崩さず「これからですね」と、前向きな言葉を繰り返した。