日馬富士の貴ノ岩への暴行現場に同席していた横綱白鵬(32=宮城野)は日馬富士の引退表明後、無言を貫いた。

 29日は午前中から福岡市内のホテルで日本相撲協会の危機管理委員会による事情聴取を受けた。建物から出てきたのが午後3時10分で、テレビで生中継された日馬富士の会見後のタイミングだけに、中継を見ていた可能性がある。表情は険しく、心境などを問われても無言で、建物の出口から約5メートルに横付けされた乗用車に数秒で乗り込み、走り去った。

 前日28日に同じホテルで鳥取県警による事情聴取を受けた後は、立ち止まって「自分の知っているものを全て伝えました。後は(日本相撲)協会と警察の皆様に全てお任せしたと思います」と話しており、別人のような対応だった。

 白鵬は26日の九州場所千秋楽で土俵上インタビューの際「この土俵の横で誓います。場所後に真実を話し、膿(うみ)を出し切って、日馬富士関と貴ノ岩関を再びこの土俵に上げてあげたいと思います」と発言。日馬富士が引退してことで“誓い”を果たせなくなった。