大相撲の元横綱日馬富士関(33)による平幕貴ノ岩(27)への暴行問題は、当初予定の今月20日決着に“待った”がかかった。

 傷害容疑で鳥取県警による元日馬富士関の書類送検から一夜明けた12日、日本相撲協会が協力を要請していた貴ノ岩の師匠の貴乃花親方(元横綱)から返答はなかった。前日11日に貴乃花部屋を訪れて文書をポストに投函(とうかん)し、事情聴取への協力を依頼していた危機管理委員会の鏡山部長(元関脇多賀竜)は「なかなか先が見えない」などと、20日決着がずれ込む可能性を否定しなかった。

 11月30日の理事会で、貴乃花親方から警察の捜査終了後に協力すると回答を得ていた。協会としては書類送検をもって協力態勢に入ると認識していたが、鏡山部長はこの日「あの人が理解しているかどうか」と、解釈の違いが起きている可能性を指摘。今後は罰金を求刑される略式起訴の流れになりそうだが、貴乃花親方は地検がその判断を下して「捜査終了」と認識している可能性があるという。

 当初は20日に行われる横綱審議委員会と臨時理事会で、危機管理委が最終報告する予定だった。鏡山部長は両会議について「延期はない」と明言。だが被害者である貴ノ岩の聴取を行わないまま「最終」とは位置づけられない。協会に対して沈黙を続ける貴乃花親方の真意をつかめず、混迷が続く。