関脇栃ノ心(30=春日野)が13勝2敗で優勝次点で終わった。平幕の勢の上体を起こし、左上手から、右下手でまわしを引いた。盤石の右四つに持ち込むと、危なげなく寄り切った。結びの一番で鶴竜が白鵬に敗れれば、優勝決定戦となったが、鶴竜が勝った。2度目の優勝が消える瞬間を土俵下で見届け「12連勝したし、優勝したかったな。でも、最後は勝ってしめた。初日と千秋楽は次につながるし、大事と思うから」と納得の表情だった。

 事実上の大関昇進は、場所入り前、部屋で髪を整えてもらっている時にテレビで知った。「うれしかったよ」と笑顔を見せ「うれしいけど…わかんないですよ」とまだ実感は湧かない様子だった。

 今場所、技能賞と敢闘賞を手にした。関脇以下が対象の三賞は、ひとまず無縁となるが、合計11個獲得した。「大事ですよ。宝物だから、トロフィーとかは」。故郷ジョージアの実家を増築する形で、柔道、サンボも加えた盾、トロフィーなどの記念品を並べる“プライベートミュージアム”を造る予定。ただ、三賞については「11個で十分でしょ?」と、もう未練はない。名古屋場所からは大関。「大関だから負けたらダメと思ったら、負ける。だから、気持ちは今まで通り、普通にやります」。力まず、自然体での昇進を強調した。