入り待ちはなさらないでください-。日本相撲協会は13日、大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)での一般ファンの熱中症対策として、関取衆の入場を7日目の14日から、これまでの正面でなく一般ファンが立ち入ることができない、関係者駐車場がある裏口(裏木戸)に変更することを発表した。

 東京場所では三役以下、地方場所では全関取が、一般客が間近で見られる会場入り口(両国国技館は南門、その他は正面入り口が基本)から入場する。力士を至近距離から写真撮影できるなどファンサービスの一環として行っている。

 ところが名古屋場所は初日から連日の真夏日で、13日は34度を超え、14日には最高気温38度が予想される。力士を間近で見ようとするファンは、日よけがないため炎天下での待機となり、ここまで担架や救急車で運ばれる人が館内での観戦者も含め続出している。

 同協会では、名古屋場所の出羽海担当部長(元前頭小城ノ花)の名前で「名古屋場所における力士場所入りの変更について」というリリースを発表。力士の入場待ちするファンが体調不良を訴えたり、熱中症で運ばれる事例が多数、起きているため、力士は駐車場から直接、場所入りする説明があり、ファンには「大変申し訳ありませんが、入り待ちはなさらないようにお願いいたします」としている。

 協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は「正面(入り口)から力士がファンの目の前を通る。ファンサービスの一環だったし残念だけど、せっかく来ていただいたのに救急車で運ばれるようなことがあってはいけない」と説明した。