大相撲の関脇御嶽海(25=出羽海)が、自然体でワンチャンスを物にする。日本相撲協会が秋場所(9月9日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した27日、大関とりの御嶽海は都内の部屋で会見を行った。大関昇進の目安となる三役で3場所33勝以上まで、あと11勝と迫っている中、第1目標に勝ち越しを設定。周囲の声に耳を傾けながらも、自分のペースで臨むことを強調した。

柔らかい口調で、御嶽海は秋場所への意気込みを語った。「まずは勝ち越しを目指して自分の相撲を取るだけ。大関とりとかいろいろありますけど。そういうのは自然と来るんじゃないんですか」。夏場所9勝、初優勝した名古屋場所で13勝を挙げて昇進目安まで11勝と迫るが、気負う様子は見せず。むしろ自然体で臨むことを何度も強調した。

自身初の大関とりだが、勝負強さには自信がある。東洋大時代、大会の個人戦はトーナメント方式が基本。負けたら終わりの一発勝負で常に緊張感に追われながらも、4年時にはアマチュア横綱と学生横綱の2冠を達成した。だから今回も「学生は負けたら終わりで、そのチャンスをどれだけ物にするかだった。一番得意」と、大関とりも“一場所勝負”で決める。

今更、肩に力は入れない。稽古した分だけ強くなるといわれる世界で、稽古量の少なさを自他共に認めている。夏巡業でも親方衆に指摘されたというが「覆したいなと思う。自己流でここまで来たからね。行けるとこまで行く。行けなかったらそれはそれで1つの人生だから」。自分のスタイルは崩さずに、大関の座を射止める。【佐々木隆史】