8場所連続休場中の大相撲の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、難敵の小結玉鷲を圧倒した。

3日、千葉・船橋市の二所ノ関部屋で行われた二所ノ関一門連合稽古に参加。昨年11月の九州場所初日に敗れて以来、胸を合わせていなかった玉鷲を指名した。188センチ、173キロの体格を生かした馬力と出足の鋭さで稽古から容赦なく攻める玉鷲。故障再発の危険を伴う相手だけに、これまで連合稽古でも避けてきた。それがこの日は馬力勝負で負けず、もろ差しや突き放しと、多彩な攻めで9勝1敗だった。

稽古後は開口一番「よかったです」と、充実の表情。秋場所(9日初日、東京・両国国技館)まで1週間を切ったが「いい具合で調整できている。より厳しくやっていきたい」と続けた。夏巡業から続く関取衆との稽古も、前日2日の前頭阿武咲に続き、相撲勘を取り戻す激しい稽古をする相手を選び、この日の最後は「気持ちいい」と笑顔も見せた。

初日で対戦する可能性もある玉鷲は「指名された時点で(休場中とは)違うと思った。いつもの横綱に戻った」と舌を巻いた。連合稽古で幕内下位を指名した先場所前とは違う実戦的な稽古が続く。尾車親方(元大関琴風)も「動きはいいし、体のハリもある。期待したい」と高評価だった。