横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)は、見せ場なく小結玉鷲に押し出され、2敗目を喫した。1度目は突っかける形で不成立となり、2度目の立ち合い。相手の左はず押しで大きく退くと立て続けに押され、あっさりと土俵を割った。今場所最長58秒9を要して粘り勝ちした前日7日目から一転。今場所最短2秒9で完敗した。支度部屋に戻ると「あーっ」と、大声で叫んで悔しがった。その後、報道陣の問い掛けに一切答えず。勝っても負けても口数が少ないとはいえ、今場所初めて最後まで無言だった。

師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は「立ち合いの当たりが全然ダメ。踏み込んでいない。頭でいってもよけている。あれでは力が入らない」と話した。頭からゴツンと当たった、6日目までとの違いが敗因と分析。立ち合いで頭は相手の右肩付近へとずれ、圧力をまともに受けた。だが課題は明確だけに、同親方は「修正はできる」と断言。今日9日目に始まる大関戦での復調を予言した。