16場所ぶりに復帰した幕内で、前日11日目に負け越しが決まっていた西前頭14枚目の豊ノ島(35=時津風)が、この日も敗れ9敗目(3勝)を喫した。3日を残し幕内残留の瀬戸際に立たされた。

西十両2枚目で小兵力士として人気のある炎鵬(24=宮城野)と対戦。過去に、幕下時代の17年九州場所と十両だった先場所の2度対戦。寄り切り、引き落としで連敗している相手だ。かつて「見てて面白いし個人的には応援したくなる」と話していたが、対戦するとなると、これほどやっかいな相手も少ない。案の定、迷いながら立ち合いで繰り出した右の張り手は、炎鵬の左肩あたりを突く“空振り”状態。中にもぐられると起こしにかかるが、粘着剤のように食い下がられる。それでも猛進したが、右上手を取られ、その右から振られ、体を入れ替えられた。なおも下から押し上げられ、たまらず引いたところを押し出された。

幕内の初口(最初の取組)で、相手はくせ者。「立ち合いの寸前まで、どうやって行こうか(整理できず)考えすぎた。ちゃんと決めていけば良かったのに、向こうもいろいろなパターンがあるから、こっちも(対処法で)いろいろなパターンを考えすぎてね。こんなこと初めて」と迷いが敗戦を招いた。

最後に引いた場面も「相手は軽いんだから引くのではなく、我慢しなければいけないのに」と反省しきり。前日、負け越しが決まり「気楽に行こうと思った」というが「それを体がはき違えて、フワッと立ってしまった。そうゆうことじゃないのに、体がかみ合っていない。フワフワして力が入らない感じだった」。約3年ぶりに戻った幕内の土俵は、さまざまな課題を突きつけてくれる。「いろいろと勉強になる場所です。残り3日、納得のいく相撲を取って場所を終えたいですね」。残り3番に全力を尽くす。