大相撲春巡業が27日、横浜アリーナで行われ、夏場所(5月12日初日、東京・両国国技館)で大関返り咲きとなる2ケタ勝利を目指す栃ノ心(31=春日野)が、大関高安と激しい三番稽古を行った。

計10番取って5勝。長時間胸を合わせる展開も数番あり、互いにたっぷり汗をかいた。栃ノ心は「気合が入った。気持ち良かったね。最後まで力を出し切る稽古ってなかなかないから。大事ですね、こういう稽古は」と、満足げに話した。

師匠の春日野巡業部長(元関脇栃乃和歌)にも普段から「他の人がやらなくてもお前がやれ」と、積極的に申し合いや三番稽古に参加するよう指導されているという。「親方もああいう稽古が好きだしね。みんな頑張っていると思うけど、その中で頑張りたい」と力を込めた。

横浜アリーナ開業30周年を記念した巡業には、約8000人の観客が訪れた。最大収容人数が国技館より多い同会場に訪れたのは初めて。約10年前に部屋関係者と中華街へ食事に行き、4、5人でビール90杯やワインなど大量のお酒を飲んだ思い出がある。「あのときは若かったから、次の日も大丈夫だったけどね。今は体がだるくなっちゃう」。

夏場所は約2週間後。数日前に体重を計測したところ、170キロ前後だったという。「思ったより落ちていない。あと6キロくらい増やしてキープしたい」。1年前は大関昇進を決めた夏場所へ、理想の状態を見据えた。【佐藤礼征】