大相撲夏場所(12日初日、両国国技館)を前に11日、同所で土俵祭が行われ、三役以上の力士が出席した。10勝以上で大関復帰となる関脇栃ノ心(31=栃ノ心)は「チャンスがあるから。1日1番、しっかり相撲を取りたい」と意欲を語った。

本番を翌日に控え、表情が明るい。「大関のプレッシャーがないからね。状態? 調子いいと思いますよ」。春場所の負け越しで大関から陥落したが、巡業、場所前を通じて充実した時間を過ごした。

「これだけ気持ちいい稽古ができたの、本当に久しぶり」。しっかり低く踏み込み、しっかり当たる。大関在位中は故障が連続したこともあり、できなかった立ち合いの“基本”に手応えを感じる。「でも、稽古と場所は違うから、それが場所でできるか」と話した。

対戦相手は初日が千代大龍、2日目が大栄翔。強烈な立ち合い、低く鋭い当たりが持ち味の押し相撲が続く。「相手はあまり考えないで、自分の相撲をとりたい」。大関の時は車で両国国技館の駐車場に乗り付けて場所入りできた。「(国技館の)前まで車に乗ってきて、歩いて中に入ってたけどね。歩きますよ、多分」。平幕で初優勝した昨年初場所のように、春日野部屋から約10分の“徒歩通勤”に戻り、再出発する。