1場所での再入幕を目指す東十両筆頭の豊ノ島(35=時津風)が、3連敗を喫し4敗目(6勝)。勝ち越せば再入幕は確実だが、足踏みが続いている。

過去、幕内で1度、十両で2度対戦(計1勝2敗)している西十両4枚目の東龍(32=玉ノ井)戦。得意の左を差し込もうとしたが、逆に前みつを引かれ劣勢に立たされた。左から引きながら回り込み体勢を立て直そうとしたが、今度は東龍に左の前みつを引かれる。左からなおも頭を押さえながらの引きで打開しようとしたが、これが相手を呼び込む格好となり、あっさり寄り切られた。

191センチと長身の相手に、前みつを引かれた上に頭をつけながら寄りたてられ、反撃の糸口さえつかめなかった。取組後のコメントにも、それが表れていた。「回り込むので精いっぱい。頭では“こうしよう”と思っても体の反応が遅くて、逆転できる感覚はなかった。立ち合いからの流れでただ相撲を取っただけ、って感じかな」。

ただ、3連敗しても6勝4敗と白星が2つ先行している。一時の「貯金5」は減らしたが、5日区切りの星勘定では「4勝1敗」と「2勝3敗」で10日を乗り切っている。不本意な中盤戦も1つの「負け越し」でしのいだと思えば、ネガティブ思考はいらない。35歳のベテランは「体力的にしんどい。あと5日もある。安美関(安美錦=40歳の関取最年長)はすごい」と疲労の色は隠せないが「(前半で4勝1敗と)勝っておいて良かった」とも。あの貯金を無駄にしないためにも、気力を振り絞りながら残り5番の土俵に臨む。