新十両魁勝(24=浅香山)が三役経験者の臥牙丸を寄り切り4勝4敗とした。

支度部屋に戻ってくると、ニッコリ笑って「いや~“快勝”です」。体重199キロもある巨漢の右横に張り付き、一気に勝負を決めた。「皆さん(報道陣)が笑ってるから…」と4個目の白星にしてついに“かいしょうだけに快勝です”が飛び出した。

別に快勝に絡めたしこ名ではない。「魁」は、師匠の浅香山親方(元大関魁皇)の現役時代のしこ名から「勝」は父勝美さん(69)からもらった。柔道の指導者で、今も中学生相手の乱取りをする勝美さんに「いつも相撲のことでしかられる」とこぼすが、親孝行になる活躍はうれしい。

要所での験直しが効いたのか。3連敗した3日目と、4敗目を喫した6日目、吉野家の牛丼(特盛り)とカルビ丼(大盛り)を食べた。「昔はこの2つでちょうど1500円でした。食べると、いいことがある気がして」。注文時は“つゆ切り”(つゆだくの反対)というこだわりもある。

「臥牙丸関はでかかったですけど、自分は魁聖関の付け人をしてたんで」。折り返して星は五分。「初日はガチガチだったけど、慣れてきました。今日のような一気に持っていく相撲を取りたいですね」。後半戦で“かいしょう連発”を狙う。