再入幕の東前頭16枚目豊山(25=時津風)が、昨年名古屋場所以来7場所ぶりの幕内勝ち越しを決めた。千代翔馬に土俵際で体勢がのけぞるまで押し込まれたが、耐え抜いて逆転の引っ掛けを決めた。

「絶対に負けない、と必死でした。決まり手は何ですか? ひっかけ? 初めてですね」。勝負が決まった後、土俵上でほえたが、それも覚えていないほど興奮状態だった。

「今場所からは、もう自分1人じゃない。そういう思いも力になっていると思います」。場所前に結婚を発表した妻真梨絵さん(31)の存在も大きい。角界入り当時からライバル視された同学年の朝乃山が、名古屋場所で初優勝。度重なる負傷で伸び悩んできた大器が、ようやく復活ロードを歩み出した。